どうも、大学生のnashikuraです。
おそらく大多数の理系の人は、大学院というものに少しは興味があると思います。
そして、大学院に行こうと思っている人は、大学院への進学率についても関心があると思います。
日本の全大学の理系の大学院修士課程進学率は30%以上で、さらに偏差値の高い大学になると、9割を超える学部学科も珍しくないです。
その中でも工学系に限れば、大学院進学率は約40%近くであり、農学部などといった他の理系学部よりも高いことが分かります。
その一方で、工学系であるにも関わらず、大学院進学率が低い学部学科も中にはあります。
その代表的な学科が、僕が現在通っている土木工学科です。
今回は、僕の実体験や独自に調べたデータを基に、工学系分野の中で土木工学科の大学院進学率が最も低い理由について書いていこうと思います。
大学院進学率が低い学科についての記事はほとんどないため、おそらくとても参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください!
※この記事では、大学院の修士課程(博士前期課程)のことについて書きます。
目次
日本の理工系の大学院進学率の現状
本題に入る前に、まず、日本の大学院進学率の現状について少しだけ書きたいと思います。
上でも書きましたが、工学分野の大学院進学率は約4割ですが、上位大学に限ってみれば、4割よりははるかに高いです。
Wikipediaによれば、工学系(理工学系)の大学院進学率は、上位25大学では60%を超えており、特に最上位の大学は非常に高いことが分かると思います。
実際、旧帝大や上位国公立大の理系は大学院に行くことがデフォルトであり、大学院に行けない、または行けなかった人は負け組という印象もあるらしいです。
また、大学院進学率の上位がのほとんどが国公立大学であるのは、学費が比較的安く、私立大学の人であっても国公立大学の院を外部受験する人が多い、という理由があ考えられます。
大学別の土木工学科の大学院進学率
次に、土木工学科の大学院進学率が低い、ということをデータによって証明したいと思います。
まず、九州大学工学部について見たいと思います。
九州大学工学部全体の大学院進学率は約80%であり、工学部のほとんどの学科が80~90%に集中しています。
しかし、その中で一つだけ60%台があり、どれが土木工学科です。
一般的に見れば60%の中では高いですが、院進がデフォルトの旧帝大で6割はかなり低いと思います。
北海道大学についても、工学部の大学院進学率は約80%であるのに対し、社会基盤科(土木工学とほど同じ)の院進率は70%程度です。
旧帝大より少しレベルが低い千葉大でも、工学部の院進率72%に対して土木は約50%、私立の早稲田大学でも3つの理工学部の院進率約70%に対して土木系は約50%でした。
他にも、名古屋大学、信州大学など、調べたほぼすべて大学で、工学部の中で土木系の学科の大学院進学率の低さが目立ちました。
とりあえず、土木工学科の大学院進学率が低いということは納得いただけたでしょうか。
大変お待たせいたしました。
それでは、本題に入らせていただきます。
土木工学科の大学院進学率が低い理由
➀公務員を目指す人が多いから
(※土木科から外務省を目指す人はほとんどいないと思います)
土木系の学科は、おそらく理系の中で最も公務員を目指す人が多い学科ではないかと思います。
その理由としては、大多数の公共事業は土木関連のものであり、国や地方公共団体に土木職のポストがたくさんあるためです。
例えば、国土交通省や都道府県庁・市町村の土木課など、土木職は様々な機関に多数のポストがあり、公務員の技術職の中では最も採用人数が多いです。
また、土木の花形分野である都市計画やまちづくりに興味がある学生が多く、そのような業務も国や自治体が主体となって行っています。
こうした理由があり、土木学生で公共事業の発注者として関わりたいと思っている人は、多くが公務員を志望することになります。
そして、公務員は国家総合職や研究職を除き、採用は大卒と院卒で無差別に行われるため、学部卒でも不利にならずに就職ができ、わざわざ大学院に行かなくても良いと考えている学生が多い、というのが一つ目の理由です。
②学部卒でも問題なく就職できるから
➀と少し重なりますが、公務員以外の就職でも、土木系は他の理系学問と比較して学部卒での就職がそれほど不利にならないからです。
現在、建設業はかなりの人手不足であり、技能系の職人だけでなく、施工管理や現場監督などの技術系の職種についても常に求人が出されています。
そのため、こういった職種の志望者であれば、公務員と同様、大学院に行かずに就職する傾向が強いです。
一方、研究職や設計をしたい人は、大学院に行く方が有利になるため、院進する傾向が強いです。
③女子が比較的多いから
意外だと思うかもしれませんが、土木系の学科は工学部の中では比較的女子比率が高めです。
とは言ってもせいぜい1~3割程度ですが、それでも機械系、電気系、物理工系などの1割未満と比べればかなり高いです。
そして、2018年度のデータではありますが、同世代の全人口に占める女子の大学院進学率は5.8%であり、男子の14.8%に比べて1/3程度です。
つまり、女子比率が比較的高い土木系の学科ではこの影響を受け、大学院進学率が低くなっているのではないか、と考えられます。
まあ、化学系も女子が多めですので、ここの部分はそれほど大きく影響していないと思います。
そういう僕は大学院に行くのか?
結論としては、とても迷っています。
2021年12月現在、僕はまだ学部2年なので、まだ決めていないのが正直なところです。
僕が迷ってい理由を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
まだ時間はあるので、ゆっくり決めたいと思います。
まとめ
今回は、土木工学科の大学院進学率が低い理由として、以下の3つを紹介しました。
➀公務員を目指す人が多いから
②学部卒でも問題なく就職できるから
③比較的女子が多いから
この3つの要因が絡み合って、土木工学科の院進率が低くなっているのだと僕は考えていました。
よく、「理系は大学院が絶対」、「理系で院に行かないなら理系に行く意味がない」、と言われることがありますが、土木工学科のように理系で大学院に行かなくても就職にそれほど困らない学科もある、ということをこの記事を通じて特にお伝えしたかったです。
この記事が何かの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。