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【就職悪い!?】大学の地球科学科の就職先について、現役大学生が解説

どうも、大学生のnashikuraです。

 

 

 

この記事では、大学の理学系の学科である地球科学科の就職の実態について解説していこうと思います。

 

中学の理科を思い出してもらうと、生物・物理・化学・地学の4分野を学びましたが、地球科学科はこの中の「地学」の教育・研究をメインでやっている学科になります。

主に理学部に設置されており、大学により、地球惑星・地球環境・地球システム・地質学など様々な名前があります。

 

そして、地球科学は非常にニッチな分野であり、国公立大学で33校、私立大学ではわずか3校のみにこの学科を設置されています。

(国公立大学は全国で約175校、私立大学は全国で約600校)

かなりニッチな分野であり、かつ高校で地学を選択できる学校が非常に少ないため、志願者も少なく、大学入学後の情報も少ないです。

僕も大学受験の際、地球科学科を志望している時期が長かったですが、やはり情報がかなり少なく、「具体的に何が学べるのか」、「卒業後の進路はどうなのか」について疑問に思っていました。

 

上記を踏まえ、この記事では地球科学科の卒業後の進路、つまり就職先について主に書いていこうと思います。

理学部は「就職無理学部」なんて揶揄されることもあり、地球科学科の就職先も悪いという噂も少なからず目立ちます。

そこで、「本当に就職は悪いのか?」に着目しながら、就職先の業界や企業について深堀りしていきます

 

地球科学科への進学を検討している方の参考になると思いますので、ぜひ最後までお読み下さい!

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地球科学科で学べること

地球科学という分野は非常に幅広く、主に以下の分野があります。

地球物理学:地震、火山、重力、災害など

気象学:気候、海洋物理、大気、水循環、環境など

地質学:地層、地殻、地球史、地質災害など

岩石・鉱物学:マントル、マグマ、結晶、地球進化など

惑星科学:元素、放射線、宇宙大気など

古生物学:化石、古生態、進化論など

ja.wikipedia.org

こうしたこともあり、就職先も以下の示すように、他の学部に比べて非常に多岐に渡ります。

 

地球科学科の就職先

建設業界

建設業界の中の建設コンサルタント会社は、地球科学科の学生の就職先として人気です。

地質調査会社や測量会社では、大学で勉強した内容を直接活かすことができます。

以下が代表的な会社です↓

・設計に強い:日本工営、建設技術研究所、パシフィックコンサルタンツなど 

・測量に強い:パスコ、アジア航測、国際航業など (地図やシステム開発も行っている)

・地質に強い:応用地質、川崎地質など (地質調査が主要な業務の一つ)

 

インフラ業界

鉄道会社(JR各社や私鉄)や道路会社(NEXCO等)、電力会社などのインフラ企業に就職する学生も多いです。

建設や維持管理がメイン業務で建設土木寄りではありますが、地盤や周辺の環境整備が業務に関わることが多く、地球科学科出身の学生も重宝されます。

 

鉱業業界

鉱業業界はあまり聞きなじみがないかもしれませんが、主に資源の採掘を行っている業界です。

金属や石油、天然ガスなどの天然資源は鉱山やプラント(処理施設)から採れることが多く、鉱山で採掘などを行っています。

具体的な企業名では、INPEX(旧国際石油開発)や住友金属鉱山などが挙げられます。

採掘を行うには地盤や地質の条件を把握することが極めて重要であり、そういった点から地球科学科出身者が重宝されやすいです。

 

IT業界

地球科学科では、プログラミングやリモートセンシングなどの情報系を学ぶ機会もあり、そうした延長線上にあるIT業界に就職する学生もいます。

具体的な企業名でいうと、NTTや富士通などのゴリゴリの通信系の会社よりも、民間気象会社であるウェザーニューズや、地図情報会社のゼンリンなど、地球科学科の要素を含むIT企業への就職が多い印象です。

 

国家・地方公務員

地球科学科では理学部の中では珍しく、公務員(技術系)を志す学生も多いです。

防災や環境に関する政策は国や各自治体が主導となって行っているおり、そこに携わりたいと思う学生が多いからです。

国家公務員でいえば、環境省や国土交通省、農林水産省、気象庁など、地方公務員では、各自治体(都道府県や市区町村役場)の土木・環境系の職員になる学生が多いです。

 

教員

学問そのものに魅力を感じ、中学や高校の理科教員になる学生もいます。

ただし、高校では地学を開講している学校は本当に少なく、隣接分野である物理・化学・生物の教員になる人がほとんどです。

(僕の高校時代の物理の先生も、大学では地球物理学を専攻していたと言ってました)

 

ただし、理学部で教職を取るのは時間的に意味ではかなり大変そうです。

(取ってる人は本当に尊敬しています)

 

 

研究職、学芸員などのアカデミック分野

大学院の修士や博士課程に進学する学生の中には、研究者や学芸員へ進路を取る人も少なからずいます。

自分の専門分野を極められる、という非常に魅力的な仕事であり、まさに好きなことを仕事にできる、といった具合でしょうか。

しかし、一般的な企業や公務員への就職に比べてかなり狭き門であり、学問に対する強い探求心と気持ちがないと続けることは難しいです。

例えば大学教授を目指す場合、大学院(修士2年、博士3年)を修了して博士号を取得した後(ここまででも相当すごい)、ポスドクと呼ばれる任期付きの研究員(給与などの待遇が非常に悪い)を経験して、さらに運が良ければ大学等の研究機関に採用される、というのが一般的な流れです。

 

 

その他(専門分野外への就職)

専門知識はほとんど活かせませんが、金融やメーカー、インフラ業界の文系職などに就職する学生も珍しくないです。

上記の業界は文系メインの業界ですが、数字に強く、研究も経験している理系学生が重宝される業界でもあります。

理系学生は全員が大学の専攻と密接に関係している業界に就職すると思われがちですが、それ以外の業界に就職する学生も以外と多いです。

(学部卒だけでなく、院卒でも専門外の業界に就職することも十分可能です)

 

この記事を書いている僕は、地球科学科の学生ではない!

僕のプロフィールをご覧になった方は分かると思いますが、実は僕は地球科学科ではなく、土木工学科の学生です。

そんな僕がなぜこんな記事を書いているのかというと、地球科学の分野が好きで、さらに未練があるからです。

最初にも少し触れましたが、大学受験の際には地球科学科を志願しており、高3の11月くらいまでは地球科学科志望一本でした。

しかし、とある大学の理学系地球科学科の公募推薦入試に落ちたことで、一度自分の進路を本気で考え直す機会ができ、より実用的な分野であり、かつ就職もよく、隣接分野の一つでもある工学部土木工学科へと進路を変えました。

そして、大3の途中までは特に何も感じませんでしたが、就職を意識し始める時期あたりから初めて地球科学への未練を感じるようになりました。

確かに土木工学科の就職は非常によく、地球科学科よりも、大手で給与の高い企業に行きやすいです。

しかし、僕はそういった土木業界の企業にあまり魅力を感じず、地球科学の分野をメインとしている企業ばかりに目が行っていました。(地質調査会社や防災コンサルなど)

インターンシップにも何社か行きましたが、すべて地球科学がメインの会社で、土木工学科出身の僕はマイノリティでした。

そして、結局内定をいただき、来年度から働く予定の会社も地球科学をメインとして業務を行っている会社です。

結果的に第一志望の会社から内定をもらうことができたからよかったのですが、正直大学でもっと地球科学について学びたかったという未練が残っています。

実際に、工学部のどの専門科目よりも、自主的に取った理学部の授業(地質災害、地形学、地理情報システムなど)の方が圧倒的に面白かったです。

また現在研究室は、「地形に関する地盤の工学特性」という感じのテーマで研究を進めており、こちらもかなり地球科学寄りです。

運よく、学科内で唯一こうした地球科学寄りの分野の研究を行っている研究室に行くことができましたが、今の研究室に行けていなかったら正直研究のモチベーションも圧倒的に下がっていたと思います。

もしもう一度高3に戻れたら、絶対に地球科学科を受験します(笑)

 

こうした経緯があり、地球科学科出身でないにも関わらず、これほど地球科学科についての知識があることをお分かりいただけたかと思います。

 

まとめ

今回は地球科学科の就職先として、以下のものを紹介しました。

・建設業界

・インフラ業界

・鉱業業界

・IT業界

・国家・地方公務員

・教員

・その他

見てきた感じ、就職が極端に悪いということは感じられず、むしろ幅広い就職先がある、という印象を受けたのではないでしょうか?

 

受験生時代の僕のように、就職が悪いのが不安だから地球科学科への進学をやめようと思っている人がいたら、ぜひ一度踏みとどまってみて下さい。

今回の記事で紹介したように、実態として就職は悪くないですし、さらに学問そのものが好きであれば、非常に充実した大学生活になります。

ぜひ後悔のないような進路選択をしてほしいです!

 

 

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最後までお読みいただきありがとうございました!